育てるバラを選ぶ時、何を重要視しますか?好きな色や花形、四季咲きかどうかなどももちろん重要です。ですが、その品種が丈夫かどうかも選ぶ基準の一つに入れておいた方が良いと思います。いくら美しいバラでも、弱いバラだとすぐに枯れてしまいますから。そこで今回は、強健種のバラについてまとめました。
バラ栽培は難しい!?
「バラを育ててみたいけど、バラって難しそう。手間もかかるし、すぐに病気になってしまうのではないか。」バラを始めたい人がまず思うのがこれですよね。
確かにバラはこまめな手入れが必要で、1年間を通して植え替え、誘引、剪定、消毒、追肥など、いろんな手間がかかります。
それでも害虫の被害は付き物ですし、黒星病やうどん粉病の病気にもなりやすいです。
今までいろんなバラを育ててみて、確かにそういった被害に遭い、枯らしてしまったバラも多いのが事実。
ですがその中にも、もう10年近くほとんど病気をすることなく丈夫に育っているものもたくさんあるんですよ。
ちゃんと手入れすればの話ですが、バラは全てが難しいわけではありません。
もちろん耐病性があまりなくて枯れやすいものもありますが、いわゆる強健種と言われる強くて丈夫なバラも存在します。
なので、バラを初めて育てる初心者の方は、そういったものから育ててみるとうまくいくのではないでしょうか。
今回は私が今までに育ててみたバラの中から、強く育てやすかったバラを10種類ご紹介します。
【1】アイスバーグ
私が一番おすすめしたい強健種のバラは、何を置いてもアイスバーグです。
アイスバーグは木立ち性のものとつる性のものがあり、我が家ではどちらも育てていますが、どちらも強く元気に育っています。
特につるアイスバーグはもう10年近く前に新苗で買ったものが、今ではぐんぐん枝を伸ばし、写真のようにアーチを覆うような大きなものへと成長しましたよ。
10年間うどん粉病など大きな病気にかかることもなく、雪が降り積もったかのように毎年花付きも抜群です。
1983年には世界バラ会議でも殿堂入りしていますし、トゲが少なく枝がしなやかで誘引しやすい。まさに初心者おすすめの名花ですね。
【2】カクテル
一重咲きの人気品種と言えばカクテル。
日本ではとてもポピュラーなバラで、古くから個人宅やバラ園でも植えているところが多かったのですが、意外にも2015年とまだ最近に世界バラ会議で殿堂入りしています。
咲き始めは中心に黄色が入り、周りの鮮やかな赤色との対比も美しいんですよね。
とにかく花が多い多花性で、病気や害虫にも強く、初心者に育てやすい品種ですよ。
耐陰性もあるので、半日陰でも育てることが可能なバラです。
【3】クイーンエリザベス
イギリスのエリザベス女王の戴冠にちなんで名付けられた、鮮やかな美しいピンク色の大輪品種。
気品溢れる見た目もさることながら、クイーンエリザベスはバラ界屈指の超強健品種として知られているバラですね。
直立に上へ上へと伸びる性質があり、コンパクトと言うよりは、かなり背の高い大きめのバラになることが多いと思います。我が家で育てているものもやはり大きいですね。
華奢な枝のものも多いバラの世界ですが、このバラを育ててみると、そういったものに比べ、枝がものすごく太くしっかりしているのが分かりますよ。
株が弱ったり大きな病気にかかったこともないですし、とても育てやすいバラです。
【4】マッカートニーローズ
元ビートルズのポール・マッカートニーさんの名前から名付けられたフランスの大輪バラ。
様々なバラの国際コンクールでも受賞しており、名花として知られていますね。鮮やかなピンク色がとても映えて美しく、強い芳香もあります。
何よりこのバラは、生育旺盛で樹勢がとても強く、耐病性に優れていると言う特徴を持っています。
クイーンエリザベス同様、育ててみると一本一本の枝が太くてとにかく丈夫。成長スピードも速くどんどん成長してくれます。
私は知人に頂いて育てているのですが、まさかここまで強いバラだと知らず、なんだか得した気分です。
【5】アンジェラ
車で街を走っていて、一番たくさん見かけるんじゃないかと言うほど多くの家庭で育てている人気品種がアンジェラですね。
栽培が簡単で、特別深い知識がなくても育てられるため、バラを始めたばかりの方におすすめされることが多いバラです。
小輪で明るいピンク色の花が咲き、とても花付きが良い品種なので、満開時には株全体を覆うようにピンク色で染め上げますよ。
うどんこ病や黒星病などの病気にも強い耐性を持っており、地植えにして放置しても丈夫に育ってくれるほどです。
かなり病気に強い品種で手間がかからないので、強いバラを探している人に絶対におすすめしたい品種ですね。
【6】クリスティアーナ
2013年にドイツのコルデス社から生まれた、まだ比較的新しいバラです。フランスのサヴェルヌ国際コンクール芳香やドイツのADRなども受賞しています。
コロンとしたカップ咲きで、まるでオールドローズのようなクラシカルな見た目。花弁の数は100枚以上にもなるほど、一つ一つの花がとても繊細で豪華なんです。
そしてこのアンティークタッチで優しげなグラデーションがかった色合いと来れば、見た目は文句なしの美しさですね。
こんなに柔らかい見た目をしているのに、見た目に反して実は性質はとても強いんですよ。うどんこ病や黒星病に強く、無農薬でも育てられるほど。
私の周りの育てている人の話を聞いても、病気が出たことなく元気に育っていると言う人が多い気がします。
【7】ニュードーン
他のバラよりも一足遅く咲く遅咲きのバラ、ニュードーン。
1997年の世界バラ会議にて殿堂入りしています。つるバラでは初めての殿堂入りで、それ以降四季咲き性のつるバラが多く誕生することとなりました。まさに歴史的な名花。
耐寒性や耐病性にも優れており、丈夫で育てやすい品種として有名です。伸長力も旺盛ですよ。
そして日陰でも育つという大きな特徴を持っているので、北側のフェンスなど日当たりの悪い場所への誘引も向いています。
他のバラとも合わせやすい淡い色合いで、よく伸び病気にも強い、日陰でも育つと言うことで、使いやすいバラですね。
【8】マリアテレジア
フワフワとしたクォーターロゼット咲きと柔らかいアンティークな色合いが優雅なマリア・テレジア。
中心部に向かって花弁がウェーブがかっており、上品で上エレガントな印象を受けます。
香りはありませんが、花持ち、花付きも良い上に、病気や害虫に強い強健種です。
私が育てているマリアテレジアは、2年はあまり伸びず花付きも良くなかったけれど、3年目からは一気に成長し、このかわいい花をたくさん咲かせてくれるようになりました。
【9】ピエール ドゥ ロンサール
言わずもがな、つるバラの中でも圧倒的な人気を誇るフランスのバラ、ピエール ドゥ ロンサール。不動の人気No.1と言っても過言ではありません。
2006年に世界バラ会議にて殿堂入りしています。やはりご紹介するものは、いろんな賞を獲っているものが多くなりますね。
花の外が淡いピンク色で、中に向かうほど濃いピンク色。この優しい色合いと、花弁が幾重にも重なる豪華な大輪、それらが相まって美しい花を作り出しています。
もちろんこれだけ人気があるのはこの美しさだけではなく、病気や害虫に強い強健種と言うことも関係しています。
育てやすい品種だからこそ、これだけ人気があるのでしょう。
【10】ホーム&ガーデン
名前はバラっぽくないですが、花は薄いピンク色で、オールドローズのような姿の可愛いバラです。
特に咲き始めが可愛く、クシュクシュしたロゼット咲きの花弁が開いてくる姿はとても可憐ですよ。
このバラの特徴は、とにかくよく花を付け、四季咲き性に優れているのでどんどん花を咲かせると言うこと。
優しげな姿とは反対に、強健種でもあります。病気に強いだけではなく耐寒・耐暑性もあるバラで丈夫です。
我が家のホーム&ガーデンは植えてからもう随分経ちますが、写真の通り、とても花付きがよく見事です。
まとめ
上記のバラでも、全く病気をしないと言うのは無理だとは思いますけど、自分で育ててみた感触で、ほとんど病気にかからない、少しぐらい病気をしても物ともしないものばかりをご紹介しました。
見た目も大事ですが、育てやすさ、強さは見た目以上に大事かもしれませんね。
バラのある暮らしは幸せです。特にバラが咲く頃は、生活が豊かになった気がしますよ。
バラを始めようか迷われているのであれば、一本でいいので、ぜひ庭に置いてみてください。