絵の具と筆で花弁にペイントしたような、そんな模様が入った絞りのバラたち。その個性的な見た目は、一度見たら二度と忘れられないほどインパクトが強く、心に残ります。絞りの入ったバラは我が家でもいくつか育てているので、その中からおすすめの品種をご紹介します。
絞りバラの魅力
絞りとは、絞り染めのように色がマーブルになっている花弁のこと。不規則に縦の柄が入り、他のバラとは一味違う印象を受けます。
白と赤など、色味の差が大きいはっきりとしたものだと、数あるバラの中でもとても目立って本当に絵画のようです。ですがその反面、個性が強過ぎるせいか、絞りの入ったバラは好き嫌いがはっきりと分かれる種類でもあります。
私は絞りのバラは大好きで、そればかりだとくどくなってしまうかもしれませんが、ところどころに入れると面白みもあり、1つ1つ柄が違うので見ていても飽きません。絞りの割合は育て方や気候でも違ってくるんですよ。
クロード・モネ
まず最初にご紹介したいのが、絞りの中でも非常に人気が高いフランスデルバール社のクロード・モネ。デルバール社はバラの育種で有名な会社で、絞りのバラもたくさん作出しています(ペインターシリーズ)。
クロード・モネは、柔らかいピンクに淡い黄色の絞りが入るロゼット咲きの品種です。さすがフランス人の美的センスと言ったところで、これ以上美しい色合いはないのではないかと言うほどの色の美しさ。
独特だけど可愛らしいこの色の組み合わせに脱帽です。ペインターシリーズを代表する品種と言っても過言ではありません。
絞りのバラはもちろんその色合いが一番の魅力ですが、育てやすさも重要です。このバラは耐病性にも優れ四季咲き性のため、丈夫によく花を咲かせてくれますよ。
また、2013年の国際香りのばら新品種コンクールでも受賞しており、ローズの中にスパイシーとフルーティーが混ざる強香があります。
アルフレッド・シスレー
クロード・モネと同じく、デルバール社のペインターシリーズの一つです。ペインターシリーズは、絞りを絵画に見立てて全てに画家の名前が付けられており、他にもモーリス・ユトリロ、マルク・シャガール、ポール・セザンヌなどがあります。
アルフレッド・シスレーは、淡い黄色にオレンジ色の絞りが入る品種。開花具合によって色の濃さも変わってきますが、それほど奇抜と言う印象はなく、他のバラや花々、風景に溶け込みやすい柔らかな色合いだと思います。
フリルがかったヒラヒラとした花弁が華やかだけど、意外と強健で病気に強く、よく伸びるので育てやすいですよ。デルバール社のバラは美しいだけでなく、耐病性に優れた丈夫なものが多いのが特徴。さすが世界に名立たる会社です。
バリエガタ ディ ボローニャ
覚えにくい名前ですが絞りのバラの中でとても有名な品種で、半つる性のオールドローズです。
白地に濃いピンク色のはっきりとした色合いが見る人を惹き付け、コロンとしたカップ咲きの形も色と相まって可愛らしいですよ。
バリエガタ ディ ボローニャはとにかく樹勢が強く長く伸びるので、パーゴラやアーチなどの大きなものに誘引すると見事だと思います。我が家でもパーゴラに巻き付けてあります。
オールドローズなので古くから愛されてきたバラで、昔も今もこれからも変わらずこのバラは人々を魅了し続けるのでしょう。
センチメンタル
白地に赤っぽいローズ色の紅白絞りが入った個性的なバラ、センチメンタル。バラ好きの知人には「このバラちょっとくど過ぎる」と言われてしまいましたけど(まあ好き嫌いはあるので…)、私は大好きなバラの一つです。
玄関前の道路沿いの花壇に植えてあるのですが、道路を通る人が面白いバラだと見ていくことが多いバラでもあります。模様がはっきりしているので、目を引く品種ですね。
耐病性があり育てやすく、花付きが良いのが特徴。フロリバンダ系なので房咲きになるため、一度にたくさん花を咲かせた姿はとても見事です。毎年咲くのが楽しみなバラです。
ホワイトライン
バラの町、岐阜県大野町の道の駅で、一目惚れして購入したホワイトライン。あまりに綺麗だったので有名なバラかと思ったのですが、ネットで調べても全く情報がなく、未知の品種です。
木立ちのバラだと言うこと以外よく分かりませんけど、花持ちは結構良い方で、何と言ってもこのインパクト大の鮮やかでパッと目を引く美しい色合いが気に入っています。道の駅でビビビッと来ました。
あとはこれから育てて研究していこうと思います。
祭り
こちらも同じくバラの町である岐阜県大野町の、バラ公園のバラまつりの時に購入した京成バラ園のバラです。
黄色にオレンジがかった赤の絞りが入ったユニークな色合いで、祭りと名が付いたのも納得の賑やかで明るいバラです。一つ置けば庭が明るくなりそうな雰囲気があります。
花は小ぶりで2~3mほどまで伸びる半つる性なので、トレリスなど低めのものに誘引して楽しむのが良いかと思います。
四季咲きでよく花も付けるため、祭りを見ながら賑やかに楽しくガーデニングができそうですね。
アストリッド スペース ストライプド
薄いピンクに濃いピンクの絞りが入り、ピンクの濃淡を楽しめる品種です。ひらひらとした花弁も可愛らしく、女の子のために作られたような可憐で賑やかなバラですね。
この濃いピンク色の絞りは気候などの関係で多かったり少なかったりで、ほとんど入らない場合もあるようです。
気まぐれで、咲く度に違う表情を見せてくれるのもこのバラの魅力なのかもしれません。ちなみに我が家のアストリッド スペース ストライプドは、いつも絞りは少なめな気がします。
コンパクトな樹形なので我が家では鉢植えで育てています。ベランダガーデンなどでもお勧め。他にはない不思議な絞りのバラで、さりげなく置いておくだけでもおしゃれな品種ですよ。
まとめ
絞り咲きの魅力は、何と言っても唯一無二の存在感。同じ品種でも1つ1つ微妙に模様や色の割合が変わるので、次のバラが咲くのが楽しみになります。絵の具で描いたような模様はまさにアート!
絞りのバラは珍しいものではないので園芸店などでも普通に売られていますが、初めて買うのであれば、たくさん作出しているデルバール社のペインターシリーズから購入してみると良いかもしれませんね。美しいだけでなく、丈夫でとても育てやすいですよ!