田舎の秋の風物詩、干し柿作り。昔ながらの伝統方法で、現在でも干し柿を作る人が多いですね。干し柿作りはとても簡単で、誰でも家で簡単に作ることができますよ。たくさん作って保存することもできるので、ぜひお家で作ってみてはいかがでしょう!
1. 渋柿を用意
干し柿作りに必要なのは、普通の柿ではなく渋柿です。渋柿は赤く実っても、そのままでは渋くて食べることができません。
干すことにより渋抜きがされて甘くなり、食べられるようになります。渋くて食べられなかった渋柿をなんとか食べようと考え出した、いにしえから伝わる日本人の知恵ですね。
ちなみにお値段は、普通の柿より少し高めになります。
2. ヘタの回りの皮をむく
渋柿を洗ってから、皮をむきやすくするために、最初にヘタの周りの皮を包丁でぐるりとむいておきます。
3. 全体の皮をむく
全体の皮をむいていきます。最初に皮をむいた上の部分から下に向かってむくとむきやすかったですよ。
今回はピーラーを使ってむいてみましたが、手が滑ってむきにくかったので、包丁でむいた方が良いかもしれません。
4. 皮をむいた渋柿
ヘタの周りにヘタが残らないよう、ギリギリのところまでしっかりと皮をむきました。作る分だけ全ての渋柿の皮をむきましょう。多ければ多いほど、この作業が一番手間がかかりますね。
5. ビニール紐を用意
ビニール紐を60cmほどにカットして用意。1本で両端に2個結ぶので、作る渋柿の半分の本数のビニール紐が必要となります。
6. 柿のヘタに紐を結ぶ
ビニール紐の両端に1個ずつ渋柿を結びます。1本で2個、2個で1組になるよう紐を結びます。
紐はヘタにくるくると巻き付けてこま結びで固定。落ちてこないようしっかりと括りつけます。
ちなみに――。皮をむいている途中に、1つヘタの軸の部分が取れてしまいました。やむを得ずヘタに爪楊枝を挿して、その部分にひもを巻き付けておきました。
7. さっと熱湯に通す
殺菌してカビを生えにくくするため、湯を沸かして沸騰させ、その中に5秒ほど浸します。縛った渋柿を紐ごと鍋に2個入れ、さっと取り出します。
8. ネットをかける
田舎で大量に作っているお家を見るとしていないことがほとんどですが、私は虫が寄ってくるのが嫌だったので、台所用の水切りネットを1つずつ被せました。
外で干すとどうしても鳥や虫が寄ってきてしまうので……。それでも網目より細かい虫は入ってきてしまいますが。
インターネットで調べてみると、洗濯ネットや野菜干し用のネット、ミカンネットなど様々なものを使って、皆さん虫対策をしているようでした。
9. 外に干す
屋外の軒下などで、日当たりと風通しの良い場所に干します。
紐の両端に結んだ渋柿がくっつくとカビの原因になってしまうので、上下にずらして互い違いになるよう吊るしましょう。
また、雨の日や夜露に当たるのもカビの原因になるので、できるだけ水滴の当たらない軒下の奥などに干しておくと良いと思います。
我が家は雨が降ると濡れてしまいそうだったので、日によって外に出したり中に取り込んだりしていました。いつ雨が降ってくるか分からない夜も基本的には中に入れていましたよ。
室内で干す場合は?
室内でも干し柿が作れないことはありません。ただし外と違って風通しが悪いのでカビが発生しやすいため、扇風機で風を送ったり、除湿機で乾燥させたり、外のような条件を作らなければなりません。
また、私は室内に取り込んでいる時は、生活している部屋ではなく、暖房器具などを使わないあまり使っていない部屋に干すようにしていました。涼しい廊下などもいいですね。
10. 1週間ごとに揉む
干してから1週間ほどすると外の皮がだんだんと硬くなってくるので、渋柿全体を少し押すようにして軽く揉みます。これを1週間ごとに行うことで、渋さが残らないようにします。
11. 3週間ほどで完成!
干し柿の硬さは好みがあるので、好みの柔らかさに合わせて2~3週間程度で完成になります。
できあがった時にまだ渋さが残っていれば、もう少し置いてみると甘くなると思います。
あとは大きさや天候によってもできあがるまでの期間は変わってくるので、食べ頃をチェックしながら観察を続けてくださいね。
ちなみに、私は室内に取り込んでいる時間も長かったせいか、できあがるのにちょうど1ヶ月ほどかかりましたよ。
甘くておいしい!
やはり干し柿は甘くておいしいですね!自分で作ったものだと更に格別な気がします。
昔の人は渋くて食べられないと諦めず、よく考え出したなあと感心するばかり。それが長きに渡り伝わっているのもすごいですけどね。生活の知恵に感謝感謝。
保存方法
先述した通り、干し柿は保存食にもなりますよ。作ったものを1つずつラップでくるみ、チャック付きの保存袋に入れて密封し冷凍庫へ。冷凍すれば、1~3ヶ月程度保つことができるそうです。
私も昨年大量に作ったので、冷凍して毎日1個ずつ食べていました。
岐阜の名産「富有柿」もお勧め!
渋柿作りとは直接関係ありませんが、岐阜県の西濃地区にはたくさんの柿畑があり、秋になると赤い柿がたわわに実った光景を目にすることができます。
これを見ると、秋が来たなあと感慨深い気持ちになります。
この柿はほとんどが岐阜の名産「富有柿」。ひとつひとつが大きく、柔らかくて甘みが強くて絶品なんですよ!柿好きなら(柿好きでなくとも)一度は食べてみる価値ありです。
柿のことばかり書いていたら、頭が柿のことでいっぱいで今すぐに食べたくなってきました……。今日のデザートは柿で決まりだな!