表面がデコボコしていてザラザラした質感の小物や雑貨。漆喰風で室内の壁でも見かけることのある塗装方法です。こういったテクスチャを作るのは意外と簡単で、専門の塗料がなくても石灰で作ることができますよ。実際に素焼きの鉢を使って塗装してみました。
1. 石灰・アクリル絵の具・漆喰風塗料を調合
用意した塗料は、アクリル絵の具(リキテックス)とサラッとした風合いの漆喰風塗料。それに加えて100円ショップでも買える石灰です。
漆喰風塗料はなくても良いですが、あるとよりデコボコとした感じを出すことができます。
石灰はセリアの苦土石灰を準備しました。植物の肥料として使われるものなので園芸コーナーで買うことができますよ。
これを入れることによって、ザラザラとした質感が実現できるのです。多く入れれば入れるほど、ザラザラ具合も大きくなります。
以前アイアン風塗装を試した際に、石灰ではなく砂を使いました。砂でも問題はないのだけど、石灰の方が他の塗料と馴染みやすく、ポロポロとこぼれてくることがありません。
2. 下地塗装
先ほど調合して攪拌した下地塗料を、スポンジを使ってポンポンと鉢に塗装していきます。
この時、スーッと流れるように塗ってしまうのではなく、ポンポンと叩くように塗るのがコツ。できるだけ塗料を分厚く盛るように塗ります。
3. 全体を塗る
叩くように塗ることで、デコボコ、ザラザラとした質感をはっきりと出すことができますよ。
触るとザラザラはしていますがしっかりと定着しているので、石灰がはがれてくることもありません。しっかり乾くまで待ちます。
4. やすりがけ
サンドペーパーを使って、盛りすぎた部分や余分な部分の塗料を削って表面を整えます。きれいに均してしまうと石灰の意味が全くなくなってしまうので、やりすぎに注意!
5. 上塗り
ザラザラとした下地の上に色を塗ります。アクリル絵の具でも水性ペンキでも結構ですが、今回はダイソーのミルクペイントのスモーキーブルーを使用しました。
ここでも使ったのはスポンジで、塗料を多めに付けてムギュッと分厚めに塗っていきます。
6. 下地を残しながら塗装
全てをきれいに塗ってしまうのではなく、ところどころ下地の白が見える程度に塗ります。こうすることで、少し塗装が剥げてしまったシャビーな雰囲気が出せるのですよ。
7. 白色を足す
下地が見えるのが足りない場合は、アクリル絵の具でも塗装が剥げた感じを表現します。
絵の具には水を足さず、原液のまま少しずつ塗っていきます。塗りすぎるとわざとらしさが出てしまうので、そこそこに留めておきましょう。
8. 汚れを表現する
塗料の剥がれの後は、古くなった汚れを描いていきます。アンティークメディウムを使って表現しても良かったのだけど、今回はミルクペイントの茶色だけで汚れを出すことにしました。
細い筆やスポンジを使ってかすれるように描いても良いのですが、セリアのエイジング用スポンジを使うととてもラクに汚すことができます。
ちょんちょんと叩いたり横にサーッとスライドさせるだけで、誰でも簡単にエイジング加工ができる優れもの!
濃い部分や薄い部分など色の濃淡を付けると、よりリアルになります。
完成
使い古されたアンティーク風な鉢が出来上がりました。塗装1つで同じものとは思えないほど雰囲気が変わります。
色々試してみたい塗装方法
石灰と汚しの技術を使えば、他の色々な塗装に使うことができるのではないでしょうか。
様々な素材とアイデアで塗装方法を考案しているうちに、思いもよらない塗装方法に出会うかもしれませんよ。研究と実験あるのみですね。