本稿では、これからバラを始めたい方にお勧めしたい、病気に強いバラをご紹介します。バラは品種によって育てる難易度が変わりますので、まずは病気や害虫に強い丈夫な品種を選んでみると良いのではないでしょうか。強く、そして美しいバラは、意外とたくさんあります。
【1】クリスティアーナ
コロンとしたカップ咲きで花弁が何重にも重なり、まるでオールドローズのようなクラシカルな美しさがあるバラ。
枝葉も繊細な見た目ですが、実はそんな見た目に反し、とても強いバラでもあります。
黒星病やうどん粉病に強い耐性があるので、春と夏(剪定後)、年に2回ほどの殺菌剤散布だけで、丈夫に育つと言われますよ。
花の美しさや連続開花性、耐病性共に評価され、ドイツのADRに認定されました。
【2】ノックアウト
ノックアウトシリーズは、とにかく丈夫なことで知られているバラです。
樹勢は強くなく株はコンパクトなのですが、何よりたくましく、無農薬でもほとんど病気にかかることがないほど、凄まじい耐病性を持ちます。
花持ちも良く四季咲き性も強いので、人気が高いバラですね。寒くなるまで常に花を咲かせてくれます。
バラ園などでよく育てられており、ぎっしりと植えられて一面に咲く様子は圧巻。花付きも抜群に良く、次々と花を咲かせるのも魅力です。
【3】クイーンエリザベス
ハイブリッド・ティーとフロリバンダとの交配によって生まれた、グランディフローラと言う系統のバラです。
名前の通り、イギリスのエリザベス女王の戴冠を記念して作られた品種ですね。
世界バラ会議にて1979年に殿堂入りを果たしており、クイーンエリザベスは強健種として有名です。
耐暑性や耐寒性がとても強く、耐病性にも優れているため、育てやすいバラとして知られていますよ。
樹形は上に伸びやすく背が高くなりやすいです。太い枝がぐんぐんとよく伸び、ガッシリします。
【4】ザ マッカートニー ローズ
元ビートルズのポール・マッカートニー氏の名前を冠した、鮮やかなピンク色が美しいフランスのバラ。
大輪なので一輪一輪がよく目立ち、圧倒的な存在感がありますね。
国際的なコンクールで24個もの賞を受賞している名花で、黒星病やうどん粉病にも耐性が強いです。
枝が硬く太くガッチリしており、とても丈夫な印象を受けます。
美しく強いだけではなく香りも良く、良いところを兼ね揃えたようなバラではないでしょうか。
【5】レッドレオナルドダヴィンチ
こちらのバラも、優れた耐寒性・耐病害虫性などを持つバラだけに与えられる、ドイツのADRを受賞しており、育てやすいバラとして知られています。
耐寒性や耐暑性にも優れており、我が家のレッドレオナルドダヴィンチは西日が強く当たる場所で育てていますが、物ともせず毎年たくさんの花を咲かせます。
花付きも良いので、次から次へとどんどん花を咲かせてくれますよ。
他のバラが終わってもまだまだ花を咲かせており、四季咲き性も強く、丈夫で美しいバラですね。
【6】アイスバーグ
白バラの中の名花中の名花、アイスバーグ。フロリバンダを代表する品種です。
アイスバーグには氷山と言う意味があり、満開に咲き誇った姿は、まるで雪が降り積もったように真っ白な絶景です。
世界バラ会議にて殿堂入りしていますし、耐寒性や耐病虫害性が重視されるドイツのADRも受賞しています。
このバラが世界中で愛されるのは、純白の美しさと強さの両方を持っているからでしょう。
アイスバーグには枝分かれ品種もたくさんあり、その中でも、つるアイスバーグはとても人気ですね。
我が家でも育てていますが、アーチが白い花で覆われるほど溢れるように花が咲き、その美しさは格別です。
【7】ビエドゥー
デルバール社のビエドゥー。ラブレターの意味を持つかわいらしいバラです。
白のストライプ模様がうっすら入る絞りで、とても優しい色合い。強調し過ぎない色合いもかわいらしさがあります。
デルバールは特に耐病性や強健にもこだわっているため、強いバラが多いのが特徴。
このビエドゥーも例外ではなく、生育旺盛で株がガッシリとしていますよ。樹勢が強く、成長も早いです。
黒星病やうどん粉病に強く、無農薬でも育つバラと言われていますよ。
【8】ナエマ
ビエドゥーと同じくデルバール社のナエマ。デルバールを代表するほど人気が高い、つるバラですね。
優しい透明感のある色合いとかわいらしいカップ咲き、更には強い芳香を持っており、人気の高さをうかがえます。
そしてやはりデルバールのバラはとても強く、無農薬でも育てられるほど強い品種なんですよ。
つるバラには珍しく、四季咲き性が強いのも特徴で、繰り返し開花して楽しませてくれるバラです。
【9】プリンセスヴェール
淡いピンクのグラデーションが華麗な、繊細で優しい雰囲気のバラです。
花弁たっぷりのロゼット咲きが花色と相まって、とても女性らしい印象を受けますね。
でもそんな見た目とは反対に、強健種で耐病性に優れたバラなんですよ。
黒星病、うどん粉病に強く、全体的にコンパクトですが、丈夫で育てやすい品種です。
耐寒性、耐暑性が強く、四季咲き性も強いので、春以外でも弱ることなくよく花を咲かせてくれます。
【10】アンジェラ
小輪で濃いピンクの四季咲き、アンジェラ。形はそれほど特徴があるものではありませんが、花付きが抜群に良く、病気に強く育てやすいことから人気が高い品種です。
満開時には株全体を覆うように、ピンク色で染め上げますよ。一面に花が咲いた姿は圧巻!
病気にも強い耐性を持っており、地植えにして放置しても丈夫に育ってくれるほどです。
また、つるがよく伸びしなやかで誘引しやすいことからも、アンジェラからバラを始めるのもお勧めです。
まとめ
バラは本来、人間の手を加えていない野生種ほど強く、改良を重ねた現代バラほど弱くなっています。
しかし最近は、モダンローズでも農薬を使わず育てられるほど、強くてたくましいバラもたくさん作出されています。
バラは美しい見た目と芳醇な香りが最大の魅力ですが、やはり育てやすいかも重要になってきます。
何のバラを買おうか迷ったら、強さにも注目してください。少しでも、ロザリアンの皆様のお役に立てればと思います。
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