無機質で質素なデザインの室外機。どうしても要るものだけど、そのまま置いてあるといくら素敵な庭でも景観を損ねてしまいます。そんな時に役立つ室外機カバーは、意外と簡単に自分で作ることができるんですよ。
室外機カバーのメリット
室外機にカバーをかけることで庭と合わない室外機を隠すことができます。もちろんこれが大きなメリットですが、カバーをすることによって日光から守る効果もあるのです。
直射日光が当たれば当然、冷却効果が弱まってしまいますね。
室外機は日陰に置く方が良いとされているので、カバーをすることで日を遮ることができるのですよ。そのためにも、室外機カバーを作ってみましょう!
赤松を使用
今回使用した木材は赤松。柱用の角材と、前面・側面・天板用の木材をそれぞれ用意しました。
4mのものを何本か購入してトラックで運んでいます。ホームセンターで大きなものを買ったり大量購入した場合は、レンタルトラックが便利ですよ。
赤松は下地材、角材、梁などに使われる木材で、柔らかく加工がしやすいのでDIYにおすすめの木材です。柔らかいので傷はつきやすいですが、耐水性にも優れています。
1. 柱をカット
室外機の大きさピッタリに作ってしまうと熱がこもってしまう心配があったので、余裕を持って一回り大きなものを作っています。作り方は2段式でも1段式の場合と変わりなく、ただ上に大きくなるだけ。
まずは柱となる土台の角材をカット。ジグソーで147cmのものを4本作りました。
2. 前面・側面・天板用の木板をカット
ネットで調べてみると、室外機カバーと分からないようなかわいいものやかっこいいものをお作りの方も多く驚嘆してしまいますが、私はあまりここに存在感を持たせたくなかったものでシンプルな形に仕上げます。あくまでも目隠しと言うことで。
前面・側面はボーダーに、天板は板をくっつけて屋根を作ります。それぞれ室外機より一回り大きいサイズでカットしました。全て幅90cmの赤松を使っています。
3. やすりがけ
全体的にはサンダー仕上げがされていたのでやすりがけする必要はありませんでしたが、やはり切断した部分のやすりがけは必要です。
サンドペーパーでバリを取り滑らかに仕上げると、トゲが刺さることもありませんし、見た目もきれいになりますよ。
4. 下穴をあける
柱の上にボーダーとなる木材を打ち込むのではなく、仕上げがきれいになるように、柱と柱の間にぴったりと木材をはめこむような形でビスを打ち込みます。
まずはそのための下穴をあけます。
下穴はめんどくさい作業だと思うこともあるけれど、これをするのとしないのとでは出来上がりが変わってきます。
特に木材の端や柔らかい木材に直接をビスを打ってしまうと、かなりの確率でヒビが入ります。ひどいと割れてしまいます。
下穴をあける手間を省いて結局割れてやり直しになるのなら、そちらの方が2度手間になるので、最初から下穴をあけて作業した方が効率が良いと思いますよ。
また、ビスを打つ目安にもなるので効率も上がります。
5. 側面を作る
柱用の角材と角材の間にボーダー用の木材を入れ、横からビスを打って固定します。
ボーダー部分の木材は柱用のものより薄いので、角材の手前にピッタリと合わせて打ち込み、前から見た時に段差ができないようにして見栄え良くしてあります。
6. 側面2セット完成
先ほどと同じものをもう1セット作りました。これが側面用のパーツになります。向かって右側だけ下の方にホースがあったので、左側よりも1段少なくしておきました。
室外機カバーを作る際には配管やホースなどの逃がしについても、設計の時点で考えておくと後々ラクに作ることができます。
7. 前面部分の作成
側面ができ上がったら左右両方を立てた状態で、前面部分を作り始めます。
側面と同じ幅の木材を使いました。私は一人で作っていますが木材を支えながら作業するのが結構大変だったので、2人掛かりでできると作業が断然捗ることでしょう。
8. 逆ルーバーを作る
前面部分はルーバーにします。ルーバーとは、ボーダーの部分が斜めになっていることにより、室外機から出る熱を逃して熱がこもらないようにしてくれることを言います。
下に逃すと庭の植物などにダメージを与えてしまうので、室外機は逆ルーバー(写真のような向き)になっていることが多いですね。
ルーバーの作り方は意外と簡単。ルーバーになる木材を角材と角材の間に挟み、幅のちょうど真ん中部分に横から1本だけビスで固定します。
薄い木材だと少しずれるとビスが飛び出てしまうのでちょっと注意が必要です。
両サイド1本ずつビスで止めると自由自在に板を動かせるようになるので、角度を自分で調節することができますよ。
1本ずつ測って取り付けていくのは大変なので、先に下穴をあけておき、あらかじめ目印をつけて作業するとやりやすいですよ。
下穴をあけることによって割れるのも防ぐことができますし。
9. 前面部分の完成
上5本、下5本取り付けて前面部分の完成です。
ちなみに側面は5cmの間隔をあけていますが、前面は見栄え上2cmの間隔にしました。あまり間隔が狭すぎると熱がこもり、室外機に負荷がかかってしまいます。
たまにDIYでルーバーもなしでほとんど塞いでしまっているものを見るけれど、壊れてしまうのでは?と思うことがあります。
10. 天板の作成
植物は水が垂れるので無理だけど、雑貨などを少し置きたかったので天井部分は閉じることにしました。
側面・前面と同じ幅の木材を使い、今度は隙間をあけることなくピッタリとくっつけて天板を作ります。
写真は途中経過で、最終的には後ろの端まで全て覆いました。
11. 形が完成
最後に、前面部分の上段と下段の間に隙間があってバランスがおかしかったので、角材を1本取り付けました。
2段式なのでどうしても大きくて存在感が出てしまうけれど、シンプルなのでそこまで目立つことはないかと。
12. 塗装
防水性がある赤松とは言え、外で使うものなので無塗装では早く腐敗してしまいます。
以前作ったフェンスと揃え、水性ペンキを使って白に塗装しました。もちろん防腐剤も2度塗りしてあります。
最初はなんかでかいな!と思ったけど、白にしたら庭の雰囲気と合ったので良かったです。
13. 完成
室外機にカパッと被せて完成!室外機はエアコンの調子が悪い時などに点検をしたりするので、カバーは壁などにくっつけてしまわず、室外機の上に被せてあるだけです。
せっかく花をたくさん植えても雑貨を並べても、室外機の無機質な感じが全ての雰囲気をぶち壊していたので、カバーがあるのとないのとでは雲泥の差です。
ずっと作りたい作りたいと思っていたけど後回しになっていたので、一つ夢が叶ったような感じです。
花や雑貨の飾り台として
形にこだわると難易度も上がるし製作時間もかかると思うけれど、シンプルなものであれば初心者の方でも2~3日あれば作ることができるのではないでしょうか。
決して難しいDIYではありません。
形はシンプルな室外機でも、花や雑貨を掛けたり乗せたりすれば、庭の飾り台のように使うこともできますよ。
関連商品
- 赤松 柱用角材
- 赤松 前面・側面用板
- 水性ペンキ
- 防腐剤