冬になると見かけることが多いハボタン。葉の形が牡丹のような美しい見た目に似ていることからハボタンと名づけられました。正月用の寄せ植えや門松の寄せ物としても使われることが多い、日本の正月には欠かせない花なのです。
ハボタンとは?
牡丹のように大輪の花が咲いているように見えるけれど、これは葉が花のような形になっているもの。実は4月~5月頃に黄色い花が咲くのですが、ハボタンの主役は葉であり、花が咲く前に処分されてしまうことの方が多いですね。
寒さに強く、11月~3月頃までの冬の時期に楽しむことができる植物です。見た目も華やかで祝福などの花言葉があることから、正月飾りとしてもピッタリなのです。
形はキャベツにも似ていて、これは元々がキャベツ(またはケール)だったことに由来します。つまり祖先はキャベツと言うこと。キャベツが品種改良され、最初は食用だったものがだんだん観賞用になり今に至ります。
私は最初きれいなキャベツと思い込んでいたのですが、あながち間違いではなかったのですね。
ハボタンの育て方
主に冬の屋外で育てます。寒さに強いので、冬の寂しい時期を彩ってくれる貴重な冬の植物です。
とは言え、あまりにも寒すぎる場所はNG。日光が十分当たるところで、霜が降りる場所や風が直接当たるような場所は避けるようにしましょう。
水やりは土の表面が完全に乾いたらたっぷりと。冬の寒い季節は水を与えすぎると根腐れしてしまう場合もあるので、やり過ぎにも注意。
初心者でも比較的育てやすく長い間楽しめるので、ガーデニングを始めたばかりの方にもおすすめです。
ハボタンって食べられるの?
先ほど、ハボタンの祖先はキャベツ(またはケール)と書きました。だったら食べられるんじゃない?と思った方もいるかもしれません。
――実はその通り。ハボタンはアブラナ科アブラナ属の植物。食べようと思えば食べることはできますよ。ただし!野菜ではなくあくまでも観賞用に品種改良されたもの。ですので味へのこだわりはありません。食べても堅くておいしくないそうです。
その上購入したものだと、きれいに咲かせるために農薬が使われている場合がほとんど。食用と違って規制もないので、多めに農薬が使われていると考えられます。それを考えると体にもあまり良くなくおいしくもないので、食べない方が良いと言えるのではないでしょうか。…うーん、私は食べません。
ハボタンの種類
ハボタンの原産地はヨーロッパですが、渡来してからは日本で品種改良が進み、現在多くの種類があります。
江戸時代から改良されてきた、葉が丸くキャベツによく似ている丸葉系、明治以降に作られた葉が縮れてフリルのようになっている縮緬(ちりめん)系、丸葉系と縮緬系を更に交配して生まれた大阪丸葉系、深い切れ込みが入りさんごのような形の切れ葉系などがあります。
多くの品種が改良によって増えており、海外にも紹介されているそうです。もともとはヨーロッパの植物だったにも関わらず、日本独自の進化をしているみたいですね。
近年、小ぶりなものが主流になってきたり、黒やゴールド、シルバーに塗装されて洋風な飾りにも使われていたり、少し前のハボタンのイメージとは変わってきた気がします。
まとめ
パンジーやビオラと並んで、冬を代表する植物の一つハボタン。既に江戸時代から縁起が良いものとして、正月に利用されていたんですって。それほど日本人に馴染み深い植物なんですね。
ハボタンで作るハンギングや寄せ植えは華やかでとても美しい。ブーケを作ることだって可能です。ビオラやパンジーと一緒に植えると相性抜群できれいですよ!