トウガラシと言えば一般的に真っ赤で辛いものを想像しますよね。しかしカラフルな実をつけ、食べるのではなくあくまでも見て楽しむためのトウガラシがあるのをご存知ですか?長い間楽しめる観賞用トウガラシをご紹介します。
食用トウガラシ
トウガラシはナス科トウガラシ属の植物。日本ではタカノツメが最もポピュラーなトウガラシではないでしょうか。激辛のハバネロやタバスコもトウガラシになります。辛さはないけれど、ピーマン、シシトウ、パプリカなどもトウガラシの品種の一つなんですよ。大きくひっくるめれば、この辺りのものは全てトウガラシの仲間になります。
トウガラシは熱帯地域の植物
日本で栽培されるトウガラシはほとんどのものが、食用、観賞用に関わらずアメリカの熱帯地域原産のアンヌム種と言う原種から品種改良されています。そのため、暑さには強いけど寒さには弱く、日本の冬は越せないので日本では一年草になります。(熱帯地域では多年草になるそうです。)
観賞用トウガラシの特徴
観賞用トウガラシは江戸時代には既に日本に伝わっていたとされています。実は歴史が長い植物なんですね。春に種をまいて6月から12月頃まで約半年ほど実をつけ、長い期間鑑賞を楽しめるのが特徴です。毎年6月頃から園芸店やホームセンターで苗をよく見かけるようになります。特別手に入れるのが困難なものではありません。
観賞用トウガラシの育て方
日当たり・風通し・水はけの良い場所が適した植物です。乾燥を嫌うので、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水をあげましょう。根が浅く張るため、地植えの場合も乾き過ぎるとしおれてしまうことがあります。乾燥させ過ぎない方が、株が大きく育ちますよ。
観賞用トウガラシの種類
1~2㎝ほどのナスの花に似た花を咲かせ、その後にトウガラシの実をつけます。次から次へと花をつけますが、花と言っても鑑賞のメインは果実の方で花はとても小さなものなので、あまり目立つものではありません。
実は種類によって様々な色や形をしています。果実の色彩が変化する「五色旭光」、真っ黒に近い濃い紫の葉っぱと実をつける「ブラックパール」、小さくかわいい白、紫、橙、赤などの実をつける「夢祭り」、美しい紫の葉や実が特徴的な「パープルフラッシュ」などの種類があり、品種によって全く違った実をつけますよ。それぞれ形が違うのも観賞用トウガラシを育てる楽しみの一つ。
寄せ植えや花壇にも
トウガラシと言っても食用のものとは色も形も違い、カラフルな実を眺めているとこれもトウガラシなのかと感嘆します。寄せ植えや花壇に植えても見栄えがよく、用途が広い植物だと思いますよ。真っ黒な葉や実を見ていると、魔女が調合に使いそうだなといつも思ってしまいます……。