パーゴラやウッドデッキ、小屋などを土の上に建てる際、必ず必要となってくる束石(つかいし)。束石を使うのは物を作る時の最初の工程で基礎の基礎ですが、この部分が一番重要だと言っても過言ではありません。束石の使い方を知れば、DIYの幅も広がりますよ!
束石の役割って?
パーゴラなどのエクステリアを置く場合、必ず束柱(つかはしら)と言う軸となる柱を地面に置くことになります。
この時直接土や砂利の上に置いてしまうと、木材は湿気に弱いため地面からの水分を吸収して腐敗する可能性があります。
また、土は柔らかいため、年月が経つとだんだんと土の中に沈み込んでしまうことも考えられますね。
なので直接土の上に束柱を置くのは絶対にNGで、束石を使うことでそんな問題を回避することができるのです。
束石の種類
束石にはサイズ、形共に色んなタイプのものがあります。
柱をはめ込んで固定できる穴あきタイプのもの、柱を乗せるだけの平らなコンクリートブロック(ピンコロ)、そして写真のような羽子板が付いて横からネジで固定することができるタイプのものなど。
代用として、平板や穴のあいたコンクリートブロックなどを使うことも可能な場合があります。
今回は上記写真の穴のあいていない羽子板付きのピンコロを購入したので、そちらを使ってパーゴラの基礎を作ってみたいと思います。
ちなみにこちらはホームセンターで1つ750円程度でした。大きさにもよりますが、束石は1つ1,000円前後で販売していることが多いです。
束石で基礎を作る
1. 穴を掘って砕石を敷く
束石で束柱を固定するには、少し穴を掘って埋める必要があります。束石が地面から3分の1程出るようにしたいので、まずは束石がすっぽりと入るぐらいの穴を掘ります。
そこにエクステリアの基礎によく使われる砕石を投入。(砂利でも可。)この石が基盤になり、沈み込みを防ぐ役割があります。5cm~10cm程度の厚みで砕石を入れました。
小屋や家などの重量が重くて大きなものを作る場合は、砕石の上にコンクリートを流し込むと上からの圧力にも強くなるのでそのようにした方が良いですが、今回はウッドデッキも付いていない簡単なパーゴラなので、基礎は砕石だけにしました。
2. 束石を水平に置く
砕石の上に砂を被せて平らに均し、その上に束石を置きます。大きなものを作れば作るほど束石の数も多くて大変でしょうが、この水平を取る作業が何よりも重要です。
ここがずれていると後で乗せる木材が全て傾いてしまい、全体的に斜めになったものが完成してしまうからです。
ですので、水平器を使って奥行きと左右両方とも水平になっているかきっちりと測りながら作業しましょう。
水平が取れたら束石の周りに土を被せてしっかりと固定。本当はここもコンクリートで埋めた方がしっかりとするけれど、今回は省略しました。
3. 全体の平行を出す
1つの束石の水平が取れたからと言って基礎が出来上がったわけではありません。使う束石どうし全ての高さを合わせる必要があるからです。
水平を取るには水糸を使ったりレーザーで測ったりといろんな方法がありますが、一番簡単な方法は、束石から束石に板を乗せ、その上に水平器を乗せて水平を測るやり方です。
板が沿っていると微妙にずれてしまいますけど、簡単に水平を出すことができますよ。
目視では平行に見えても測ってみると斜めになっていたりするので、その場合は砕石を足したり掘る深さを変えたりして、全ての束石どうしが同じ高さになるように調整します。
4. 柱を建てる
束石の水平を取って固定できたら、パーゴラの柱を建てます。パーゴラでなくてもやり方は同じで、羽子板付きなので横からビスで固定するだけ。
今回は細い柱を使っていますが、束石に乗る太さの柱なら固定することができますよ。
5. 水平を取りながら全ての柱の取り付け
束石全てに束柱を取り付けます。パーゴラなので上の部分に桁を取り付けた後、再度水平を確認。
最初にしっかりと水平を出してあったので、完成後も斜めになることなく水平になっていました。これで完成です!
もし水平になっていなければ改めて水平を取り、基礎からやり直した方が良いですね。
たかが基礎、されど基礎!
作業してみると分かるのですけど、基礎を作ると言うのが1番手間がかかって難しい工程です。
基礎で失敗するといくら立派なものでも砂上の楼閣になってしまうので、時間をかけてじっくりと作るのが良いかと思います。
今回使用した束石も含め束石は色々な種類があるので、どんなものがあるかだけでも頭に入れておくと、これからDIYをする上でも役に立つことでしょう!