飾る場所や栽培環境に合わせて使い分けたい植木鉢。しかしいざ花や木を植えようと思っても、どんなものを買っていいのやらと迷ったことはありませんか?植木鉢の素材の違いについて見ていきましょう。
1.テラコッタ(素焼き鉢)
植木鉢と言えばテラコッタ。と言っても過言ではないほど、定番中の定番の鉢ですね。 イタリア語で「土 (terra)・焼いた (cotta)」と言う意味があり、素焼きの焼き物のことを言います。
熱を通しにくく、余分な水分などが抜けやすく通気性が良いと言うメリットがあるので、根腐れしにくく植物が育ちやすい環境を作ってくれます。初心者の方のガーデニングにも向いていると思います。
しかし重くて割れやすいと言うデメリットもあるので、扱いには気をつけなければなりません。買ってから持って帰って来る時はもちろん、花を植える際にも十分ご注意を。大きいテラコッタを買う時は重いので、身近な男性の方にお願いした方がいいかもしれません。また、プラスチックよりは高価になります。
2.陶器鉢
表面がツルッとしたガラス質になった鉢。土を焼いた後に釉薬(ゆうやく)を塗るため、表面がコーティングされて美しいツヤを出すことができるのです。
温かみがあり見た目が良いので、室内用の鉢としても使うことが多いものです。ガラス質のため、汚れがつきにくいのも特徴です。保水性や耐水性がある鉢ですが、通気性はあまりありません。
3.プラスチック鉢
現在では最も主流になってきている鉢ではないでしょうか。100円ショップなどでも販売されており、安価で手軽に買うことができます。
色や形など種類が豊富なので、用途に合ったものを探すことができますよ。また、軽くてテラコッタのように割れる心配もありません。運びやすいので、花を植えてからも簡単に移動することができます。
耐久性はありますが、通気性はあまりありません。熱が伝わりやすいため、真夏の暑さや真冬の寒さが鉢の中にも伝わってしまいます。使う場合は土の温度を見るなど、注意して使わなければ根腐れしてしまう可能性も。
4.木製鉢
ナチュラルガーデンや和風のデザインによく合う木製鉢。素朴で温もりがあり、自然素材を好む方にはお勧めの鉢ですね。室内で使うことも多く、一つ置くだけでぐんとおしゃれ感が増します。
通気性が良く使いやすい鉢ですが、何と言っても素材が木でできているため、腐りやすいと言うのがデメリットです。木製鉢の中に直接植えてしまうと、防腐剤を塗ったとしても早い段階で腐ってしまうことが多いですね。
腐らないようにするためには直接花を植えないこと。これに尽きます。中に鉢を入れるなどして、鉢カバーや鉢隠しとして使うことをおすすめします。
5.ハンギング
他の植木鉢とは違い、吊るしたり壁に掛けたりして植物を飾るものを、ハンギングバスケットと言います。置く場所が限られていても空間を自由に使い、余ったスペースを有効活用しながら飾れるのが魅力です。人の目線に合わせ、立体的に演出できるのも目を引きますね。
ハンギングはとても華やかに演出してくれますが、最も注意しなければならないことは乾燥です。空中にあるため空気に触れやすいので、すぐに用土が乾燥してしまいます。そのため、乾燥に弱い植物はハンギングには向いていません。水切れに気をつけ、水をたっぷりやることを心がけましょう。
6.その他の鉢(ブリキの鉢など)
近年インテリアやDIYがブームなこともあってか、一風変わった植木鉢も登場しています。100円ショップにおしゃれな雑貨が並び、それをアレンジして鉢に使うことも多いですね。
例えばブリキのジョウロや缶詰めの缶を使った鉢。色を塗ったりして自分テイストに変え、多肉植物などを育てる方も多いようです。植物を育てると言うよりインテリアに近く、置いておくだけで部屋がとてもおしゃれになりますね。しかし物によっては通気性が悪く、植木鉢には向いていないものもあるので注意。
そして、何でも良いのか!と使い古したバケツや桶などまで植木鉢にしてしまうと、使い方によってはダサくなることも。
植木鉢のサイズ
かわいいからと言ってあまり小さな鉢を使ってしまうと、根が詰まって枯れてしまったり育成が難しくなってしまうことがあります。ですので、それぞれの植物に合った植木鉢を選んであげなければなりません。
基本的には買った時の苗の大きさを目安に、ポットより1~2回り大きなものを選びます。生育が早いものであれば、2回り大きなものを選んでおいた方が間違いないですね。植木鉢が小さ過ぎつと成長が止まってしまうこともあります。植え替える場合は更に一回り大きいサイズのものを選んで、成長できるようにしてあげましょう。
まとめ
人間に個性があるように植物にもそれぞれ個性があるので、一つ一つの植物に合った植木鉢を使うのが理想的。少しでも鉢の特性を知っておくと、どんな鉢を使えばいいのか困らないのではないでしょうか?
見た目も大事ですが特徴も忘れずに、花を元気に長持ちさせるために、鉢選びから考えてみませんか?