バラは美しく人々を魅了しますが、繊細な植物でもあります。種類によっては育てるのが難しく、短期間で枯れてしまうものもあります。挿し木をしておけば同じ種類のバラを増やせるので、万が一枯れてしまっても絶えるのを防げますよ。もらった花束のバラなどでもできるのでお試しあれ!
挿し木と接ぎ木の違い
ガーデニング、家庭菜園をやっている方なら挿し木、接ぎ木と言う言葉は一度は耳にしたことがあるでしょう。
どちらも株を増やす方法ですが、違いは何でしょうか。
挿し木
株の一部分(茎など)を切り取り、それを土に挿して発根させて育てる方法のこと。
剪定でカットした茎や切り花などでできるのでお手軽でお金もかかりません。じゃがいもなど他の植物に挿して栄養を取り入れると言うやり方もあります。
接ぎ木
台木と言う他の株の上に接ぎたい茎を接着して、1本の植物として育てる方法のこと。日本ではノイバラに接いで作られることが多いようです。
これはプロの生産者や育種家がやることがほとんどで、コツが要り手間がかかるのでなかなか個人ではやらないことが多いと思います。
挿し木は弱いの?
挿し木より接ぎ木の方が強くて丈夫だと言われますけど実際どうなのでしょうか。
挿し木はまず発根からさせなければならないので、生育初期に失敗してしまうことも多い方法と言えます。
花壇に適当に挿しておくだけで育つ場合もありますし、一生懸命作っても枯れてしまう場合もあります。
株が大きくなりにくいと言われていますが、発根して一度成長し始めれば、2~3年後には購入したものと負けず劣らず丈夫に育つことも多いですよ。
我が家にも挿し木してから何年も経つけど元気に育っているものも何本もあります。
挿し木の方法
では早速挿し木をしていきます。必要なものはバラの枝、植木鉢、赤玉土(鹿沼土)、ルートン、カッター。
1. 土を用意
挿し木には小粒の赤玉土や鹿沼土を使います。
今回はいろいろ実験したかったので、赤玉土のみ、鹿沼土のみ、赤玉土と鹿沼土をミックスしたものを用意しました。土には水をたっぷりまいて湿らせておきます。
植木鉢は写真のように一つずつ挿せるものでも良いですし、細長いプランター1つに何本も挿し木する、と言う方法でも良いですよ。
2. バラの枝の準備
バラの枝は太めで丈夫そうなものを使い、挿し木を作る直前まで水に付けておきます。細いものを使うと成長が遅くなります。
3. 挿し穂の準備
挿し木にするための枝を挿し穂と言います。これを作るため、枝を10cm程度にカット。
この時、5枚葉の2節ほどが残るように切り取ります。(写真は2枚葉にカットした後のものですが。)
枝の先端部分は細くて柔らかいので使えません。
4. 5枚葉を2枚葉に
葉には蒸散作用があるため、そのままだと水分が蒸発しやすくなるので、5枚葉を2枚か3枚まで落とします。
5. 枝の先端(挿し口)を斜めにカット
よく切れるカッターを使い、枝の先端をスパッと勢い良く斜めに削ぎ落とします。
切れ味の悪いもので何度も切ると、枝を傷めてしまうのでご注意を。
6. ルートンを付ける
ここでルートンの登場!ルートンとは挿し木、挿し苗の発根を促進させる植物成長調整剤のこと。
発根が促進されることで、挿し木、挿し苗の活着が良くなります。
成分はα-ナフチルアセトアミド。これが付着することで、植物の成長を促してくれると言うことですね。ただし、食用作物には使用できません。
ルートンの使い方はとても簡単で、先ほどカットした枝の先端を水で湿らせ、切り口にちょんちょんと粉衣します。
ルートンは数百円で購入出来るので、ガーデニング好きな方は常備しておくと便利ですね。
7. 土に植える
割り箸などで土に4cm程度の穴をあけ、ルートンの粉が落ちないように土に挿します。
8. 挿し木完了
穴に土を寄せてキュッと挿し穂を固定したら挿し木は完了です。
最初に書いた通り3種類の土を使ってみたので、育ってきたら追ってレポートできたらと思います。
挿し木の管理方法
挿し木の置き場所は、直射日光が当たらない日陰。できるだけ明るめの日陰がベスト。
我が家は家の影になる場所で管理しており、日光が当たってしまう時は移動しています。
また、直接雨に当たると良くないので、軒下などに置くと良いかと思います。
水やりも重要で、水切れを起こして乾燥しないよう注意しなければなりません。
受け皿があれば常に水を入れておくのが良いそうですが、私は普通のホースで毎日水をたっぷり与えています。
この際、挿し木はまだ根が張ってなくて弱いので、動かないように注意しながら優しく与えます。
根が張るまではだいたい1〜2ヶ月と言われていますので、根気良くお世話してあげましょう。根付いたか気になるところですけど、絶対に抜いたりして見てはいけませんよ!
挿し木にチャレンジしてみよう!
ルートンを使ったからって必ず成功するわけではありませんし、私も今まで何度も失敗してきましたが、何度もやっているうちにだんだんと成功する回数も増えてきます。
狭い庭ですが、現在80株ほど育てているチェリーガーデン。
今年ももうちょっと増やして、来年のバラのシーズンに向けてお手入れを頑張っていきたいと思います。冬の剪定と誘引、気が重いけれど頑張ろう……!
関連商品
- バラの枝
- 植木鉢
- 赤玉土(鹿沼土)
- ルートン
- カッター