日光を好むバラにとって、太陽の光はとても重要なものですが、強過ぎる日差しは逆効果になることがあります。特に西日は強いため、株の温度が上がって葉焼けの原因になることも。そこで今回は、西日が直接当たる場所で育てていても、たくましく元気に育っているバラをご紹介したいと思います。
西向きの我が家のフロントガーデン
我が家の玄関は西を向いているため、玄関前にある玄関アプローチも西を向いています。
そこには花壇などもありフロントガーデンとしても使っているので、そこでたくさんのバラを育てています。
ただ、メインガーデンと違って西日が当たる場所なので、なかなか育ちにくいものも多いんですよね。
今までたくさんのバラをそこで育ててみて、その中から、西日の直射日光が当たる場所でも物ともせず、生育旺盛に育っているバラをご紹介します。
【1】レッドレオナルドダビンチ
2005年に、ドイツのADR(バラの新品種認証システム)を受賞しており、育てやすいバラとしても人気があるレッドレオナルドダビンチ。
ピンクのつるバラ「レオナルドダビンチ」と名前が似ていますが、枝分かれではなく、交配関係もない別の品種だそうです。
花弁はカップ咲きでクラシカルな形。ぎっしり詰まった花びらはしっかりしており、大変花持ちが良いのが特徴。最後まで形を崩すことなく美しく咲いてくれますよ。
我が家の中でも特に花付きの良い品種で、西日がガンガン当たる中、次から次へとどんどん花を咲かせてくれます。
他のバラが終わってもまだまだ花を咲かせており、四季咲き性も強く、たくましくて美しいバラですね。
【2】ホーム&ガーデン
薄いピンク色で、オールドローズのような姿の可愛い品種、ホーム&ガーデン。
特に咲き始めが可愛く、クシュクシュしたロゼット咲きの花弁が開いてくる姿はとても可憐。
このバラの特徴は、とにかくよく花を付け、四季咲き性に優れているのでどんどん花を付けると言うこと。
気候が合えば房咲きになってどんな季節でも花を付けます。ですので、秋バラもたくさん楽しむことができます。
優しげな姿とは反対に強健種でもあり、西側でも難しく考えることなく育てることができるでしょう。
【3】ニュードーン
他のバラが一段落した頃咲き始める、遅咲き品種のニュードーン。
1997年の世界バラ会議にて殿堂入りしています。つるバラでは初めての殿堂入りで、それ以降四季咲き性のつるバラが多く誕生することとなりました。まさに歴史的な名花ですね。
日陰に強いバラとしてよく名前があがる品種で、シェードガーデンでも育てやすいバラです。
耐寒性や耐病性にも優れており、丈夫で育てやすいバラでもあるので、西日が当たってもよく育つと思います。
我が家のニュードーンも、毎年一番最後に玄関を華やかに彩ってくれますよ。
【4】クロード・モネ
デルバール社のペインターシリーズの一つ、クロード・モネ。淡いピンクの中にオレンジイエローの絞りが入る、おしゃれなバラですね。
他にはない色合いと独特な魅力があり、とても印象に残るバラです。
また、2013年の国際香りのばら新品種コンクールでも受賞しており、ローズの中にスパイシーとフルーティーが混ざる強香があります。
このバラは耐病性にも優れ四季咲き性のため、丈夫によく花を咲かせてくれます。
フロントガーデンの花壇に地植えし、1年後にはとても大きく成長してくれましたよ。
デルバールのバラは強健のものが多く育てやすいので、こういったものは西側の庭でも上手に育てられるかもしれませんね。
【5】アイスバーグ
1983年に世界バラ会議で殿堂入りしている名花と言えば、アイスバーグ。
派手ではないものの、純白で清楚な見た目が美しく、上品な花形は長い間崩れることもなく楽しめます。まるで真っ白な雪のようです。
この優しい見た目とは反対に、とても樹勢が良くたくましさがあります。病気にもかかりにくく初心者の方でも育てやすいのが特徴。
四季咲きのため秋頃までよく花を咲かせ、一斉に咲いた姿はまるで雪が降り積もっているかのように圧巻ですよ。西の庭でもよく咲いてくれます。
【6】つるアイスバーグ
アイスバーグの枝分かれで生まれたつるアイスバーグ。
木立ち性のものも人気がありますが、このつるアイスバーグもかなり人気が高いですね。白いつるバラと言えばアイスバーグと言うぐらい有名です。
そして木立ち性と同様に、樹勢が強くて生育旺盛で枝がよく伸び、うどん粉病や黒星病への耐病性もかなり強いです。
我が家のフロントガーデンにはつるアイスバーグのアーチがあるのですが、西日をたっぷり浴びても関係なく、毎年白い絶景を作り上げてくれます。
新苗から育てており、10年近く経つ現在、病気にかかることなくアーチを覆うほどに成長してくれましたよ。
【7】ブルーフォーユー
ひと枝からブーケのようにたくさんの花を咲かせる、フロリバンダ系の豪華なバラ。唯一無二の美しさがある、ブルー系統のバラです。
育てるのが難しいと言われるブルー系統のバラですが、このブルーフォーユーは耐病性に優れ、初心者向けで育てやすい品種。
私が育てているバラの中でも特に花付きが良く、青バラと言うことを忘れるほど花付きが良いです。
あまりに美しいので、南側のメインガーデンと西側のフロントガーデンの両方で育てていますが、どちらもよく咲きます。
むしろ、西日が強い西側の方がより花数が多いかもしれません。
【8】ディスタントドラムス
外側のピンクから内側へ行くにつれアプリコットにグラデーションを帯び、その花色が魅力的。
他ではなかなかないアンティークで不思議な色合いを持つ美しいバラです。
花は8cmほどある大輪で、一つ一つが豪華なクォーターロゼット咲き。コンパクトな樹形で鉢植えにも向いているバラなので、地植えするスペースがないお家でも育てることができます。
丈夫なバラなので、直射日光が当たる西側に置いていても、きれいな大輪の花を咲かせています。
【9】アンジェラ
小輪で濃いピンクの四季咲き、アンジェラ。形はそれほど特徴があるものではありませんが、花付きが抜群に良く、病気に強く育てやすいことから人気が高い品種です。
満開時には株全体を覆うように、ピンク色で染め上げますよ。
うどんこ病や黒星病などの病気にも強い耐性を持っており、地植えにして放置しても丈夫に育ってくれるほどです。
また、つるがよく伸びしなやかで誘引しやすいことからも、バラを始めたばかりの方にもよくお勧めされることが多いバラですね。
私もバラを始めた最初の頃に買い、オベリスクに誘引して育てていますが、西日でも日陰でも関係ないほど、毎年旺盛に咲いてくれますよ。
【10】ソフィーズパーペチュアル
花弁の外側は鮮やかで濃いローズピンク、内側へいくほど薄いピンク色をしており、綺麗なグラデーションが特徴的。
ティーカップのように咲く花型が可愛らしいオールドローズです。横張り型の性質なので、小さめのつるバラとして扱うこともできますよ。
フロントガーデンの花壇に横に張るようなつるバラを植えたくて、このバラを購入しました。
今年もどの花よりも早く花を咲かせてくれましたし、日陰になっても花を咲かせます。
強い耐寒性もあるそうで、冷涼な地域にも向いていますし、結構丈夫なバラだと思います。
西日がダメだったものもあります……
フロントガーデンには玄関の柱やパーゴラなどもあるので、そこにつるバラを誘引しようと今までいろいろ試しました。
しかし、コーネリア、ルージュ・ピエール・ドゥ・ロンサール、シーザー、レイニーブルー、ステンレススチールなどは、うまく育っていません。
どれも枯れてはいないのですが、あまり成長しなかったり花付きが悪かったり……。
西日のせいか日陰になるからか、はたまた私の育て方が悪いのかは分かりませんが、西側にはやはり、強健種と言われるような強いバラが向いているかもしれませんね。
まとめ
バラはヨーロッパの寒冷な地域で作出されているものが多く、日本の高温な気温には向いていないものがたくさんあります。
しかし、全てがダメなわけではありません。我が家の西向きの庭でも、ちゃんと育っているものもたくさんありますから。
本当は、南向きで日当たりが良い場所が一番良いのでしょうけど、実際には、西日が強く当たったり、日陰になる庭だったり、そういうことも多いと思います。
それでも、その条件でも育てられるバラがきっとありますので、ぜひあなただけのローズガーデンを作ってみてくださいね!