庭が狭い場合やベランダガーデンの場合、花の栽培に鉢を使うことが多いと思います。どんな場所でも育てられる鉢植えは便利ですが、バラの場合は冬の間に剪定と植え替えをしなければなりません。寒い時期で大変だけど、美しい花を咲かせるためにとても重要な作業なのです。
バラの植え替えと剪定の時期
バラの剪定と植え替えは、寒くなってバラが休んでいる冬の時期、12月~2月頃に行うと良いでしょう。木立性のバラだけでなくつるバラも同じ時期にやります。我が家のつるバラも、12月に剪定と誘引を行いました。
昨年購入した木立ち性の苗
私の家の庭には地植えと鉢植えを合わせ60種類ほどのバラがあります。その中のこの2つは、殺風景だったべランダでもバラを栽培しようと思い、昨年バラの苗生産が日本一の岐阜県大野町で購入したもの。ホットココアとエンジェルフェイスです。
2つとも支えがなくても自立できる木立ち性(ブッシュ)のバラ。
ホットココアは珍しいシックな赤茶色が特徴のフロリバンダ系のバラ。アンティークな雰囲気が気に入り購入しました。
エンジェルフェイスは薄い紫色で波打つフリルのような花びらが特徴の、同じくフロリバンダ系のバラ。30年以上も人気があるバラです。
木立性バラの剪定方法
まずは残っている葉を全て落とし、形が分かる状態で剪定作業に入ります。何年も経つバラは枯れた枝や古い枝を取り除かなければなりませんが、今回はまだ1年生の若いバラなので、そのまま剪定していきます。
今ある株の半分~3分の1程度の高さになるよう、枝を1本1本剪定バサミを使って切り落とします。最初は心配かもしれないけれど、思い切りが必要です。
剪定することにより元気で若い枝(シュート)は養分が行き渡り、どんどん成長して新しい芽を出してくれると言われています。剪定すれば成長もしやすいので、低めに切っておくのが理想的。成長すればまた新しい枝(シュート)が出てきて、自然と花数も増えてきます。
剪定しなかったらどうなるのか
ほとんど何もない状態になってしまいました。せっかく育って大きくなってきたのに何だかもったいない気はするけれど、これで春にきっと素敵に花を咲かせてくれるでしょう。
ちなみに、冬の剪定をしなかったとしてもすぐに死んでしまう、枯れてしまうと言うことではありません。ただし、芽が増えすぎたり、枝が長すぎたり多すぎたりするとその分栄養も多く回さなければならなくなり、そのうち栄養が足らなくなって弱ってしまうのです。
シュートは吸い上げた栄養が行き場をなくして出てくるものなので、花数を増やして力強く咲かせるためには剪定が必要なのです。
木立性バラの鉢の植え替え
剪定が終わったところで、次は植え替え作業をします。今あるバラをポコッと鉢から抜いておきましょう。抜けない場合はシャベルなどを使って、傷つけないよう丁寧に抜きます。
なぜ植え替えが必要かと言うと、新しいフカフカの土に変えるため、コガネムシの幼虫などの害虫がいないかチェックするため、根をほぐしてあげるためなどの理由があります。
1. 鉢底石を入れる
まずは現在の鉢より1回り大きな鉢を用意し、鉢底石を入れます。土を入れる量が減ってしまうと言うことから、鉢底石は入れない人も多いのだとか。私は底穴が気になったので、ネットに入れて鉢底石を入れました。これで植え替え時の土と石との分別作業がラクになります。
ちなみに、鉢底石の変わりに赤玉土(大粒)で代用することもできます。
2. 土を入れる
鉢底石の上に培養土を入れ、苗を入れた状態で、鉢の上縁から2~3cm下の高さになるように土の量を調整します。
培養土は自分で土をブレンドして作ると言う方法もありますが、市販でもバラ専用の土が販売されているので、今回はそちらを使います。あまりにもたくさんの植え替えが必要な場合は、自分でブレンドした方が安く済むのではないかと思います。
3. 根をほぐして土を被せる
鉢から抜いた状態では根が詰まっていることが多いので、優しくほぐしてやります。伸び過ぎた根は切り詰めましょう。同時に、土の表面についた苔、雑草なども取り除きます。
その状態で先ほど敷いた培養土の上に苗を乗せ、上から培養土を被せます。
植え替え完了
最後は鉢底から水が流れ出るぐらい、たっぷりと水やりをして植え替え作業完了です。
それにしてもホットココアのトゲはまるで凶器のように大変鋭く、パンク精神を感じるほどでした。横着にそこら辺にあった軍手で作業したため手は傷だらけ。バラの剪定や植え替えをする場合は、ちゃんと専用の皮手袋を装着しましょう。(←お前が言うな)
おすすめの肥料
与える肥料は育てる人によってどんなものが良いのか意見も違ってきますが、生育する上で必ず必要になってきます。私が最近使っているのは、魚エキスが入った有機肥料「フィッシュヒーロー」。知り合いの専門家の方にお聞きして、すぐに買いに走りました。
“食味を向上させ、作物が健全に育ちます。”と書いてあるので、野菜などによく使われるものなのでしょうか。
美しい花を咲かせるために
バラは咲いていない時期でもやることが多く手間がかかります。バラいっぱいの花園にしたいと毎年増やし続けているものの、その分剪定や植え替えの作業が大変になります。しかしそんな努力があるからこそ、咲いた時の喜びは大きいのかもしれませんね。手がかかる子ほどかわいいって言うしね。
春になるのが今から待ち遠しい。今年もたくさん咲いてくれるといいなと、夢に思い描くのでした。