青々とした芝生のある庭は憧れですが、ずっと美しさを保つのはなかなか難しいもの。時間が経つと、枯れてしまった場所や成長が悪い場所などがでてきます。そのような、芝生を一部分だけ張り替えることを芝生の補植と言います。今回は、補植の手順をご紹介いたします。
芝生の種類
他の植物と同じように、芝生も一種類ではなく何種類も存在します。特に、日本芝と西洋芝と言う種類はよく耳にするのではないでしょうか。
日本芝
もともと日本にあった芝のことで、日本の環境に適した種類です。主に、野芝、高麗芝、姫高麗芝の3種類ありますよ。日本の家庭で使われている芝生は、ほとんどが日本芝(高麗芝)ですね。
日本芝は高温多湿に強い特性があるので、日本の暑い夏やジメジメとした湿気にも耐えることができます。
ただし、気温が10度以下になると枯れてしまうため、冬の間は葉っぱが茶色く変色します。
西洋芝
名前の通り、ヨーロッパが原産の芝生です。西洋芝には暖地型と寒地型があります。
暖地型は特徴が日本芝に似ているため、暑い夏にも耐えることができます。
寒地型は寒さには強いけれど暑さに弱いので、日本の気候では育てるのが難しくなります。ただし、一年中枯れることなく青々とした芝生を楽しめます。
西洋芝は成長スピードが早いため、刈り込みも日本芝より多く行わなければなりません。
芝生の張り替えに向いている時期
芝生を張る時期はいつが良いのでしょうか。一番適している時期は、芝生が成長する3~5月頃。これから気温もぐんぐん上がるので、根付くのにも最適な時期ですね。
夏は暑さで弱ってしまわないよう頻繁な水やりが必要ですし、秋や冬は寒くなって休眠期に入るのでなかなか根付いてくれません。
なので春に張るのが無難だと言えます。だいたい3月ぐらいからホームセンターにも芝生が並び始めますよ。その他の時期は売られていないことが多いと思います。
芝生の補植方法
芝生を植えてから30年以上経っている我が家の庭。ところどころ芝生がない場所があり、土が剥き出しの状態になっています。
このままだと雑草も生えやすく雨の日にはドロドロになるため、いつも困っていました。
最初は全て貼り直そうかとも思ったのですが、しっかり生えているところを剥がすのはもったいないのでそのままにして、補植だけすることにしました。――と言うのは言い訳で、全部やるのは体力がもたないと思ったからです。
1. 必要なもの
必要なものは、芝生(今回は姫高麗芝を使用)、砂の目砂、川砂、芝の肥料。あとはシャベルや鍬も使います。
芝生は1束9枚(1平方メートル)で売られていることが多く、ホームセンターで700円ぐらいでした。
2. 芝生がない部分だけ整地
芝生がない補植したい部分のみ整地します。狭い範囲でしたら小さなスコップで掘るだけでも整地できますが、私は結構広い範囲を直していくので、鍬やシャベルで耕しながら整地しました。
もしはげているのではなく枯れている状態であれば、その部分の芝生を剥がして根までしっかりと切り取ります。
3. 掘り下げる
芝生の厚みは2cmほどで、そこに砂を足していくので3~4cmほど地面を掘り下げます。
地面を掘ると大きな石がゴロゴロと出てくることがあるので、邪魔な石は全て取り除いておきましょう。
4. 砂を敷く
水はけが良い下地にするため、また地面を平らにするために、砂を2cmほど敷いて木材などを使って全体的に水平になるよう均します。
敷いた砂は足で踏んだり押さえつけたりして、しっかりと固めておきます。
今回は砂は川砂を使いましたが、芝生用の目砂でもOK。以前培養土を使ったこともありましたけど、そちらも順調に育っていますよ。
5. 肥料をまく
芝生を植え付ける前に、芝生の肥料を砂の上にまいておきます。これは最初だけじゃなく、成長後も定期的に与えてあげた方が元気に育ちます。
6. 芝生を敷いていく
掘り下げた部分に新しい芝生を敷いていきます。再び水平器で水平を取り、真っ直ぐに張れているのか確認しながら進めました。
隣の芝生との間は1~2cmあけています。これは目地張りと言う貼り方ですね。
7. 必要な形にカット
部分的な補植は芝生がない部分を修正するため、必ずしも四角い芝生が必要とは限りません。端っこなど、尖った形やその場所に合わせた形が必要な場合があります。
そんな時ははさみでカット。芝生のマットは意外と簡単に切ることができるので、大きめのはさみであれば簡単にカットすることができますよ。
8. 全体に芝生を敷く
掘り下げた地面に合うように芝生をカットし、パズルのように組み合わせてその部分に芝生を敷いていきます。
小さくても一枚一枚きっちりと水平を取りながら作業しましょう。
9. 目砂を入れる
芝生と芝生の隙間(目地)には、芝の目砂を入れていきます。ほうきなどで隙間に流し入れて、全体的に馴染ませます。
10. 水やり
よく水が浸透するように、最初は特にたっぷりと水を与えます。今回のように目地をあけた張り方だと、芝生と芝生の間から隅々まで水が行き渡り、丈夫に育ちやすいそうですよ。
春や秋は3日に1回程度、夏は毎日、忘れないよう水やりしてくださいね。
庭全体の補植完了
他にもはげているところを何ヶ所か直したら、結局庭の半分以上は張り替えることになり、こうなったらもう全部張り替えられたらなあと思っています。まあ、時間をかけて追々と…。
広い庭を広範囲に芝生を張り替えるのは大変な作業ですが、局所的に補植するのであればそれほど大変ではないと思います。DIYで簡単にできますよ。
6ヶ月後
芝生の補植から6ヶ月ほど経ちました。夏になり、青々と生い茂っています。
貼ってから半年もすれば、しっかりと根が張り、目地が目立たないほど成長してくれますよ。
ただし、水はけが悪い場所などはなかなか根が張らず、成長が悪い場所もあります。
枯れてはいないのでもう少し様子を見てみますが、またその部分だけ貼り直してもいいかなあと思っています。
繊細で美しい姫高麗芝
こちらは1年前に張り替えた部分の姫高麗芝。姫高麗芝は高麗芝を品種改良したもので、今回もこちらを使用しています。
密度が高く、葉が細く細かいとても美しい品種です。手触りがふんわりと柔らかいと言う特徴もあります。
“姫”と付くだけあって繊細な部分も持ち合わせており丈夫さには欠けるようですが、緑に染まった時の見た目の美しさは高麗芝より上ですね。
芝生の魅力
芝生は定期的な芝刈りが必要で、特によく伸びる夏は大変なので、一時期はもう抜いてしまおうかと血迷ったこともありました。他のグランドカバーで覆うナチュラルガーデンも人気ですし。
ですが、やはり見た目の美しさは何ものにも代え難く、緑を残した方が庭が引き締まる気がしたので、手入れは大変だけど残して良かったです。芝生には唯一無二の魅力がありますね!バラや他の植物ともよく合いますよ。
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