バラの魅力の1つは色彩豊かな花の色。鮮やかでメルヘン系のバラも可愛いですが、大人っぽくシックな色味を持つバラも魅力的。豊富にあるバラの中から、私が育てているアンティークカラーのバラをご紹介します。
アンティークカラーのバラ
アンティークカラーとは、華やかや鮮やかではなく、まるで時間が経過して錆びてくすんだような色合いのことを言います。シックで落ち着いていて、上品で洗練された色彩が魅力的な色です。
花弁が多くロゼット咲きのようなボリューム感のある姿と強い香りを持つオールドローズのような特徴と、四季咲き性や豊富な花色を持つモダンローズのような特徴を併せ持ったバラのことをアンティークタッチのバラとも言いますけど、今回はそういったものではなく、色合いがアンティークなものを厳選してまとめました。
ディスタント ドラムス
外側のピンクから内側へ行くにつれアプリコットにグラデーションを帯び、その花色がとても大人っぽくアンティーク。他ではなかなかない美しく不思議な色合いからとても人気があり、庭の中でも目立つ存在になりますよ。
花は8cmほどある大輪で、1つ1つが豪華なクォーターロゼット咲き。コンパクトな樹形で鉢植えにも向いているバラなので、地植えするスペースがないお家でも育てることができます。
四季咲きで、春以外の季節にもよく花を咲かせてくれる品種です。
しのぶれど
しっとり落ち着いてどこか和の雰囲気がある、京成バラ園のバラしのぶれど。淡い藤色が特徴的で日本国産だけあり、奥ゆかしさを感じられる青系のバラですね。
しのぶれどとは平兼盛の和歌で百人一首にも読まれており、「人に知られないよう心に秘めてきた」と言うような意味があるそうです。ネーミングからしてとても深く、そこからもやはり日本人らしさを感じさせます。
1房に4~5輪の大輪の花を咲かせ、満開になると株全体を覆うほど咲き誇りますよ。
ピエール ドゥ ロンサール
世界バラ会議で殿堂入りしている世界中で愛されるピエールドゥロンサール。有名なバラでその美しさはもはや自明の理、1番好きなバラに挙げる方も多いのではないのでしょうか。私も「好きなバラは?」と聞かれれば、ピエール ドゥ ロンサールを間違いなく挙げます。
外側の白色から中側のピンク色へのグラデーションの色調がなんとも優しげで、花弁が幾重にも重なる豪華な大輪と相まってとても上品でアンティークな風合いがあります。
強調し過ぎないのでどこへ置いても庭の雰囲気を壊すことなく楽しめますよ。
ボレロ
ピエール ドゥ ロンサールと同じく、とても人気の高いフロリバンダ系のバラ、ボレロ。花びらの枚数が多く、ボリュームたっぷりのオールドローズのような花姿が特徴的で、見た目にも華やかな白バラです。
フロリバンダ系は強い香りの品種は少ないと言われていますが、ボレロはフルーツのような濃厚な香りを放ちますよ。近くを通ると非常に良い香りが漂ってくるほどボレロは強香です。
咲き始めには中心が淡いピンク色に染まり、その色合いがとても絶妙。色、形、香り、ともに素敵なバラの1つですね。
セバスチャン クナイプ
神父であり自然療法士のセバスチャンクナイプにちなんで命名されたドイツのバラ。咲き始めは中心に淡い桃色のような色が入り、咲き進むにつれだんだんと白っぽく変化します。
花弁が多く中輪のロゼット咲きで、オールドローズのようなクラシカルな雰囲気を持っていますよ。その花姿と色合いはまさに優雅で癒されますね。
シュラブローズですが2.5mほどまで伸びるので、小さめのアーチなどに誘引することもでき、つるバラのように扱うこともできます。また、切り詰めれば木立ち(ブッシュ)として利用することもできます。
ジュリア
まるで薄いコーヒーのような茶色系が独特な色彩のジュリア。アンティークバラとしてはとても有名で、ファンも多い品種ですね。
珍しい花色と共に波打つ花弁も気品があり、その姿から魅了される人が後を絶ちません。私も園芸店で一目惚れして即購入しました。
赤系やピンク系の定番色とは一味違うことから、切りバラやブーケにして使う人も多いバラです。庭に咲いたものを部屋に飾ると、とてもシックで洗練された雰囲気を出すことができますよ。
シーザー
1993年にフランスで作出されたシーザーは、中心がピンク、縁が白色の優しい色合いのバラ。咲き進むに従い、淡いピンク色に変化します。この色合いがなんともクラシカルで、見ているだけで優雅な気分になれますね。
春だけの一気咲きですが、ロゼット咲きで豪華さがあり見ごたえ十分。1つ1つの花も大きめで存在感抜群!
つるバラで3.5mほど伸びるので、アーチやパーゴラにもお勧めの品種です。こんなアンティーク調のバラが一面に咲いている姿を見ると、とても幸せな気分になりますよ。
モカ
通常のバラより小さめのミニバラのモカもアンティークタッチのバラで、園芸店でもよく見かける品種で人気が高いです。
ベージュがかった黄色形のアンティークな色合いで、咲き進むにつれて名前の通りモカ色に変化。今までにないこの花色は、見る人を惹き付ける魅力があります。
ミニバラなのでもちろんコンパクトで鉢植えで育てられますが、枝垂れるようにたくさん花を付ける姿は見事ですよ。
まとめ
我が家では現在80本ほどのバラを育てています。どれも個々に魅力があり1つ1つ大切に育てていますが、アンティークなバラは独特の雰囲気があり、つい目が行ってしまいますね。花屋さんで一目見て目が離せなくなり、すぐさま購入してしまうことが多いバラでもあります。
明るく鮮やかな色合いのバラが多いお家はアンティーク調のバラを取り入れてみると、今までとは少し違った雰囲気を楽しめることでしょう。切り花やブーケにして、お部屋の彩りにもおすすめ!