寒い冬から春にかけ、鮮やかで可愛らしい花で庭を彩ってくれるプリムラの花。庭が寂しくなりがちな季節に花を咲かせる貴重な存在です。一言でプリムラと言っても種類がいくつもあるので、花屋さんでよく見かける育てやすいものを中心にご紹介します。
プリムラとは?
プリムラとはサクラソウ科サクラソウ属の植物で、ヨーロッパやアジアには原種が500以上分布しています。別名を西洋桜草(セイヨウサクラソウ)とも言います。
園芸店に行くとジュリアンやマラコイデスなど、プリムラでも名前が違うものを多数見かけると思いますが、それらは原種を交配・品種改良して別の花色、花形にしたものです。元を辿れば全て同じサクラソウの仲間なのでどの品種にもプリムラと名づけられています。
ちなみに、日本にもサクラソウ(桜草)は自生しており園芸植物としても知られていますけれど、通常日本のサクラソウはプリムラとは呼びません。
プリムラの特徴
メルヘンチックではっきりとした鮮やかな色の花が多いのが特徴的な植物。比較的寒さに強く丈夫で育てやすい花で、ガーデニング初心者向けの花でもあります。
プリムラの原種は多年草なのですが暑さに弱い性質があるため、日本の高温多湿には耐えられないので日本では一年草として扱われています。
雨や雪に直接当たると花が傷むことがあるので、地植えではなく鉢植えや寄せ植えなどの方が長く楽しめると思います。
プリムラ・ジュリアン
プリムラ・ポリアンサと同じような性質を持ち、一緒くたにされることが多い品種。実際にはポリアンサと他の原種を交配させたもので、ポリアンサよりも少し株が小さくコンパクトでまとまりやすいのが特徴です。プリムラの中では園芸店などで1番多く見かける品種ではないでしょうか。
開花時期は11月頃から始まり4~5月頃まで。日光を好むので日当たりと水はけの良い場所で育てます。雨や霜の場合は軒下などで管理すると良いでしょう。
コンパクトでカラフルなため、冬の定番であるパンジーやビオラにも引けを取らないほど華やかで可愛らしく寄せ植えにも使いやすい花。品種改良により、バラ咲きや八重咲き、シックな色合いのものなども作られていますよ。
プリムラ・ポリアンサ
ジュリアンと近い見た目を持つポリアンサ。ジュリアンよりも全体的に少し大きめです。ヨーロッパ原産で園芸品種としての歴史は古く、品種改良を重ねて現在も人気のある品種となっています。
赤、ピンク、黄色、紫、白など花色のバリエーションもとにかく豊富で、花持ちが良いのも特徴。存在感もたっぷり!
性質はジュリアンと似ているので同じ育て方で良いと思います。
プリムラ・マラコイデス
ジュリアンやポリアンサより背が高く、小さな花をたくさん咲かせる品種。中国原産でケショウザクラ、オトメザクラとも呼ばれています。耐寒性があり丈夫で冬の庭にはピッタリの花ですよ。
ジュリアンのような華やかさや派手さには欠けるかもしれないけれど、優しいイメージでふんわりしていてとても可愛らしい。柔らかい雰囲気になるのでナチュラルな庭にお勧めです。
開花時期は1月~5月頃まで。ジュリアンやポリアンサと同じく日当たりと水はけの良い場所を選びましょう。
プリムラ・オブコニカ
トキワザクラとも呼ばれる中国原産の品種、オブコニカ。他の種類のプリムラよりも少し大きめで、鉢植えとして販売されているのをよく見かけますね。
色数も多く目立つ花ですが、プリミンというアルカロイドを分泌するため、皮膚炎を起こしたり皮膚がかぶれることもあるので取り扱いには注意が必要です。肌が弱い方はあまり触らない方が良いかもしれません。(ただし、最近では品種改良によりプリミンを抑えた品種もあるそうですよ!)
他のプリムラと違い、耐寒性が弱いので屋内の窓辺で鉢植えを育てます。ジュリアンなどは日光を好みますが、オブコニカはそれほど日光が当たらない半日陰でも大丈夫な品種です。
その他にもあるたくさんの種類
原種を含めれば他にもたくさんのプリムラがあります。どのプリムラもとても可愛く庭を華やかに盛り上げてくれますが、同じサクラソウ科の花でもそれぞれ花形や性質が違うので、自分の庭に合ったプリムラを探してみてください。
まとめ
ジュリアンやポリアンサは、童話の中に出てくるような花を再現したかのような可憐さが魅力的。そんな魅力から我が家では毎年ジュリアンをよく育てていましたが、今年からはマラコイデスも育て始めました。フワッとした優しげな姿に日々癒されていますよ。
花が少なくなる冬だからこそ、寒さを吹き飛ばすほどの色とりどりの花で庭をいっぱいにしたいですね。冬でもガーデニングを楽しみましょう!