人それぞれ好きな食べ物があるように、植物にも向き不向きの土があります。園芸店で既にブレンドされた培養土を買う人も多いでしょうが、自分で配合して土を作るのもガーデニングの醍醐味。今回は、バラの土の配合についてご紹介します。
培養土とは?
皆さんはバラを育てるに当たり、どんな土を使っているでしょうか。
ホームセンターなどで販売されているバラの土は、“バラ”と言う植物が育つのに必要な栄養が取れるような配合がされているので、これだけで他に何も混ぜることなく使え、てっとり早くてとても便利ですね。
こういったものを培養土と言い、他にもビオラ用の培養土、トマト用の培養土、樹木用の培養土など、それぞれの植物に合った配分の培養土があります。
土を作る理由
培養土を使って植えるのがとても簡単なところですが、自分で配合すれば、バラの状態に合わせて土を作ることができます。
例えば、よく根腐れを起こして水はけの悪さが気になるなら水はけの良い土を作ってみるとか、土が痩せたり硬くなっていれば堆肥でフカフカにしてみたりとか、自分で作ることで臨機応変に対処することができますよ。
また、バラの用土は1袋1,000円ほどするものも多く、たくさんバラを育てているお家では何袋も必要になるので、作った方が安くなるのも私が土を作る理由の1つです。
バラの土を作る!
では早速土を作ります。使ったのは6種類の基本用土。これを混ぜてオリジナルの土を作りました。配合はこちら。
- 赤玉土(中粒):3
- 鹿沼土(赤玉土小粒):3
- 腐葉土:2
- 堆肥:1
- パーライト:0.5
- くん炭:0.5
上記の配合を元に、苗の状態や自分に合った配合を考えてブレンドして下さい。
ちなみに、土を混ぜる際シートなどを広げて混ぜることが多いと思いますが、セリアの園芸シートがおすすめ。角にあるボタンを留めると深さが出て、土がこぼれにくいトレイのような形になります。
持ち手もついているため、そのまま持ち運びしたり移動したりすることも可能な便利グッズです!
以降、使った基本用土がどんな土なのか、それぞれ説明していきます。
赤玉土
通気性、排水性、保水性、保肥性に優れ、万能型でバランスが良いと言われる赤玉土。植物を育てる定番の土で、多くの植物の基本用土として使われています。バラの土を作る上でも欠かせない存在。
赤玉土は粒状になっており、大、中、小の大きさのものがあります。大粒のものほど排水性に優れ、小粒のものほど保水性に優れていると言う特徴があります。今回はそんな中から中粒のものを使いました。
鹿沼土
栃木県鹿沼地方で産出されることから名前が付けられた鹿沼土。赤玉土と同じく、通気性、排水性、保水性、保肥性などに優れた万能型の土。赤玉土と並んで、ガーデニングを代表する基本用土となっています。粒が硬く崩れにくいため使いやすいと言うメリットもありますよ。
赤玉土に比べて酸性が強いので、ツツジや東洋ラン、シャクナゲなどの酸性を好む植物によく使われる土でもあります。
腐葉土
枯れた葉や枝などが腐って発酵したものを腐葉土と言います。有機物を含んでいるため栄養にもなり、園芸のあらゆる場面で使える土の1つ。土の改良材とも言われ、混ぜることで痩せてしまった土を生き返らせる効果もあると言われています。
保水性、保肥性などに優れていますが、水はけや通気性が良過ぎるため、土の中が30%以上腐葉土だと植物が育ちにくくなります。腐葉土の混ぜ過ぎには注意が必要になりますよ。
堆肥
堆肥とは、落ち葉や家畜の糞などを発酵されたものを混ぜた土のこと。堆肥を混ぜると土をフカフカにする効果があり、微生物が増えて栄養たっぷりの土に変える役割があると言われています。
果物の皮やもみがらから作った植物性のものと、牛ふんや鶏ふんなどから作った動物性のものがあり、種類は豊富にあります。私は樹皮を発酵させて作ったバーク堆肥を使っています。
パーライト
土壌改良剤としても使われることがあるパーライト。とても軽い土で軽量化できるため、ハンギングバスケットなどによく使われる土ですね。
通気性を良くしつつ、土の水持ちも良くすると言うメリットがあります。また、嘘か本当か、コガネムシの幼虫に対する忌避効果があると言う噂も……。
くん炭
お米のもみ殻を燻して炭化させたものをくん炭と言います。真っ黒でサラッとして軽く、畑や田んぼなど農業でも土壌改良剤として使われます。保水性に優れているので乾燥を防ぐことができ、通気性もアップして成長を助けます。
くん炭はアルカリ性のため入れ過ぎるとアルカリに偏りますし、軽くもなり過ぎてしまいます。入れ過ぎNGで、今回は0.5の割合にしました。
配合した土
以前はホームセンターでバラの培養土を買って使っていましたが、自分でブレンドすると培養土よりかなり軽くてパラパラした扱いやすいものができます。
赤玉土は時間が経つと粒が崩れてしまうと言うデメリットもあるけれど、ブレンドすることで水はけや通気性の良い土ができるため、以前より成長や花付きが良くなったと思います。
まとめ
バラは、1年に1回は土を変えてリフレッシュさせてあげるため、休眠期に植え替え作業をすることをおすすめします。その時にはぜひ、新しく作った栄養たっぷりのオリジナルブレンド(コーヒーではない)を使ってあげてください。
私たち人間が柔らかくて心地よいベッドを好むように、バラも柔らかくてフカフカの土が大好き。剪定や誘引も大切な作業に変わりありませんが、土作りもバラにとっては大切な作業の1つですよ。