初めてバラを育てたいと思っても、どんなバラを選べば良いのか悩む方もいるかと思います。バラは3~10万種、もしくはそれ以上あると言われているので、そんな中から選ぶのは迷ってしまいますよね。と言うことで、育てやすいバラを選ぶためのポイントや品種をまとめてみました。
樹形は、木立ち樹形かシュラブ樹形
バラの樹形は、大きく分けると3つに分類することができます。
【2】半つる性(シュラブ樹形)と言う、枝先がしなやかである程度樹形をコントロールできるため、木立ちのようにもつるのようにも扱うことができるタイプのバラ。
【3】つる性(クライミングローズ)と言う、枝がつる状に伸び、アーチやパーゴラに誘引して楽しむタイプのバラ。
この中からバラを選ぶわけですが、初めてバラを育てるのであれば、木立ち樹形かシュラブ樹形のものがおすすめです。
なぜなら、つるバラを選ぶと必ず誘引作業をしなければなりません。
バラの休眠期にアーチなどに誘引して仕立てるのですが、この作業は初めてだと難しいですし、結構手間がかかります。
失敗したりめんどくさくなったりしないためにも、最初はつる性のものは避け、木立ち樹形かシュラブ樹形にすると良いかと思います。
バラの育て方に慣れた頃に、つる性のものに挑戦してみても良いですね。
大きくなり過ぎないものを選ぶ
初めてバラを育てるには、地植えではなく、鉢植えで育てるのが良いと言われます。
地植えより水やりや鉢上げの手間はかかるものの、移動が簡単で、病気も広がりにくいからです。
また、大きくても1mちょっととコンパクトに育てられるため、手が届かなくなるほど大きくなり過ぎる心配もありません。
なので、鉢植え向きのコンパクトな品種を選ぶのも、一つの基準かもしれません。
大苗がおすすめ
バラは、春や秋になると園芸店にたくさんの苗が並びますが、小さな新苗と、それより大きな大苗があります。
大苗とは、そこから更に成長させ、秋や冬まで育てて大きくした苗のこと。
新苗だと大苗より安く買うことはできますが、すぐに鉢を替えてあげなければならないですし、ひょろひょろとした若い枝なので、枯れてしまう可能性もあります。
また、花を咲かせると栄養が花に行ってしまい、株が成長しにくくなってしまうので、株全体に栄養を行き渡らせるため、その年は蕾を切り落とす必要があります。
つまり花を楽しむことはできません。
そんなことからも、初めてバラを育てるのであれば、早く花も楽しみたいでしょうし、断然大苗の方がおすすめですね。
色選びもポイント
バラには赤、白、ピンク、黄色、紫など、本当にたくさんの色があります。
実はこのバラの色によってそれぞれ特徴があり、弱いと言われる色もあるんですよ。
紫やグレーっぽい色のものをまとめて青系と言い、この青系のバラは昔から弱いとされてきました。
耐病性が弱く育てにくいバラだと言う認識が当たり前でした。
しかし青系のバラは香りが良いものが多いですし、見た目にもクールで育ててみたい方も多いかもしれません。
ひと昔前は育てにくいイメージだった青系のバラも、近年では改良が進み、青バラとは思えないほど耐病性が強いものも出てきました。
最近だと、コルデス社のノヴァーリスや、ロサオリエンティスのリラなどは、青系のバラでもとても強く病気にかかりにくいと言われます。
と言うように、近年のバラは強いものが多く、紫のバラを選んでも育てやすかったりします。
ただし、少し古いものになると栽培が難しいものもあるので、青系バラを探しているのであれば、耐病性なども気にして探してみると良いと思います。
また、茶色のバラは今のところ強いバラはないと言われているので、初心者向けではありませんね。
耐病性の強いものを選ぶ
昔からバラは、弱くて病気や虫にやられやすいと言われてきました。今でもそんなイメージがある方も多いのではないでしょうか。
そこで、初心者の方のバラ選びで最も注目して頂きたいのは、耐病性の強さです。
一緒くたにバラと言っても、品種によって全く耐病性が変わってきます。強いものもあれば弱いものもあります。
ネットショッピングだと、「バラの家」の公式サイトには、うどん粉病、黒星病への耐性、樹勢の強さなどについての表記があります。
初心者向けなどの表示もありますので、いきなり購入するのではなく、まずはこういったサイトで、自分の欲しいバラをチェックしてみると良いかと思います。
近年では無農薬、低農薬で育てられるほど強健のものもありますし、強いバラであれば手間をかからず美しく育てることができることでしょう。
コンテスト受賞品種を選ぶ
バラの世界では、世界中で行われる数々のコンテストがあります。
特に観賞性と強健性を評価するドイツの「ADR賞」は、3年間一切化学薬品を使わず、冬の手入れをせずに育てて評価するとても難易度の高いコンテストです。
これを受賞しているものだと、かなり育てやすい強健種だと言うことが分かりますね。
バラ選びの基準の一つとして、こういったコンテストの賞を受賞しているのも参考にしてみても良いかもしれません。
育てやすいバラ品種
先述したように、強健種を選ぶと、バラ栽培が初めてでも育てやすいと思います。
私が育てているバラの中では、レッドレオナルドダヴィンチ、クリスティアーナ、クイーンエリザベス、オリビアローズオースチンなどが、耐病性がとても強いように思います。
詳しくは下記の記事でご紹介していますので、そちらをご覧下さい。
強いバラはあまり病気になることもありませんし、やはり育てやすさを感じられますよ。
まとめ
初めてバラを育てる場合、暑さや寒さ、病気などに強いものが育てやすいかなあと思います。
いきなり難易度が高いバラを選ぶと枯らしてしまう可能性もあります。
バラ園や公園などに植えられている、よく見る定番品種なども強いものが多いので、そういったものから探してもいいかもしれませんね。
ですが、育てやすさばかり考えていて、好きでもない色や形のものを選んでしまってもあまり愛着が湧かないかもしれないので、自分好みのものを選ぶのも大切かと思います。
私も何度も枯らしてしまったことがありますが、育てているうちにバラ栽培にも慣れてくるので、だんだんバラのある生活が楽しくなってくるでしょう。
手塩にかけて育てたバラたちが、春に一斉に満開になった時の美しさは格別ですよ!